年越し2020
今日は大晦日だ。お風呂から上がるとネズさんが蕎麦を茹でてくれていた。キッチンに立っているネズさんにバレないようそっと近づいて、後ろからぎゅ、と抱きついてみる。
「お風呂上がったんですね、髪の毛乾かしました?」
あれ?驚いた様子もなく普通に話しかけられる。「足音聞こえてたんで」と笑われてしまう。
「器を用意してもらえますか。あとでたくさん構ってあげますから」
はあい、と返事をして渋々ネズさんから離れる。二人ぶんの蕎麦を盛り付けて、リビングへ運ぶ。テレビでは歌番組がそろそろフィナーレを迎えるところだった。並んでこたつに入って、一緒に蕎麦を食べる。あったかくておいしい。
「あと少しで二〇二〇年も終わりますね」
蕎麦をすすりながらネズさんが言った。長いようで短い一年だったなあ。
「今年は色々と大変な一年でしたけど、最後まで本当によく頑張りましたね。あまり遠出はできませんでしたが、おまえとゆっくり過ごせてよかったです」
わたしもネズさんとたくさん一緒にいられて嬉しかったです。おうちでのんびりすることが多かったけれど、お買い物に行ったりプールに行ったり、一度だけ温泉に行ったりもしましたね。
「来年は何したいですか?」
ドライブしたい!ネズさんと車で色んな場所に行きたいです!そう言ったら「良いですね、おれもおまえとたくさん旅行したいです」と微笑んでくれた。
もうすぐ一年が終わる。新しい年が始まる瞬間をネズさんと迎えられて嬉しいな。隣にいるネズさんにぎゅっと抱きついたら「甘えたさんですね」なんてネズさんが優しく笑った。
「日付が変わるまでこうして抱き合っていましょうか」
やったあ!ネズさんの腕の中はとってもあたたかくて幸せな気持ちになる。この一年、ネズさんを好きでいられて本当によかったな。
ネズさん、一年間ありがとうございました。今年も、明日からの一年も、それから先もずっとずっと一緒にいられたらいいな。今日も明日も変わらずだいすきです!
write:2020.12.31
edit:2021.05.13